ところざわ介護道場 第3期 第8回 「高齢者に使われる薬、認知症の終末期症状」

2021年2月25日

薬剤師の松本先生。 この講座の為に、18ページの資料をご用意下さいました。
所沢悠生苑でのZoom受講の様子。インターネット環境があれば、どなたでもお一人でも参加できます。
認知症の薬
長尾先生は、こくぶんじ介護道場の事業所から配信。
2月22日(月)ところざわ介護道場を行いました。

薬剤師の松本先生から、
『高齢者に使われる薬 ~薬の作用・副作用、新たな病気の気付き~』
認知症の薬
五大認知症とは? …アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭葉型認知症、神経原線維変化型老年期

認知症の原因・症状に合わせた薬の種類、形状、併用できるか、副作用、アルツハイマー型認知症の新薬開発状況 等

高血圧の薬
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)を中心に、カルシウム拮抗薬や利尿剤の併用が現在の主流
種類ごとの薬の特徴、作用・副作用、混合剤について

認知症ミニ講座は、『終末期症状』
脳の重さは成長を遂げた時で平均1,350g。認知症の最後には700~800g程度に小さくなる。(脳細胞の死滅・脱落による)
脳の状態が違うのだから、介護者と対等ではない。
終末期の脳は、ほぼ停止状態。
委縮する脳の部位により、様々な機能低下が起こるが、
病巣が脳幹まで及ぶと呼吸停止になる=「認知症死」

認知症や老衰はゆるやかに機能が衰えるため、がん、心・肺疾患末期に比べて余命宣言がしにくい。
口から食事を食べられなくなり、栄養摂取ができないと自然死になる。
延命治療を望むか・望まないか、事前に家族に確認しておき、プランニングに沿って対応する。納得した死を迎えて頂く
認知症による機能低下は、治療しても元には戻らない。

認知症は発症から死まで、およそ10年で進行する。
3~4年で食べられなくなる場合は、他の原因が考えられ、回復の見込みがある。

<早期死亡前徴候> ※この状態が見られたら死亡が近づいているサイン、ケアプランの再立案に動く
・水分の嚥下困難          
・意識レベル低下 ←とろとろ眠る
・PS(パフォーマンスステータス)低下 ←関節の拘縮、手足が固まる

<3日以内の予後予測>
・ほうれい線の低下があれば、3日以内の死亡率が94%
・横向きでは、えらのラインがくっきり浮き出てくる ←痩せた印象

<晩期死亡前徴候> 
・抹消チアノーゼ
・チェーンストークス呼吸 ←脳幹が動いていないサイン
・12時間の尿量100㎖未満(腎臓に血液が回っていないから) ←尿取りパッドの重さで確認
・無呼吸
・下顎呼吸 ←認知症末期の方にはあまり見られない
・死前喘鳴 ←ヒューヒュー音がする
  のどがゴロゴロしたら、体位を変えると落ち着く方が多い。(右側臥位にし、膝下に枕をかませると良い)
  家族が胸を触るのも良い。声は聞こえている。
  脳内がモルヒネに包まれて幸せな気分になっているので、急死でない限り苦しさはほとんど無い。
・橈骨動脈の蝕知不可 ←頸動脈でとると良い
・視覚刺激への反応低下
・首の過進展
・鼻唇溝の低下
・瞳孔反射の消失
・声かけへの反応低下
・呻吟(しんぎん) ←声にならない「ん・・・・」
・開眼困難 ←黒目が白濁し、薄く1㎜程度開く
 
今回は脳の実物写真を見せて頂き、イラストでは分かりにくかったイメージがはっきりと掴めました。

次回は3月26日(金)の予定でしたが、諸事情のため中止とさせて頂きます。
今年度は新型コロナウィルス感染症の対策を講じながら、介護道場を実施して参りました。
対面講座からリモート講座へ変更になり、物理的に参加が難しくなった方も大勢いらっしゃいます。そんな方々へ少しでも参考になればと、ブログに様子を載せてきました。
半面、以前は参加できなかった遠方の方が参加されるようになり、新しい出会いもありました。
コロナが早く終息し、またこの会場で一緒に学べる日がくることを願ってやみません。
次年度の実施については準備を進めておりますので、決まり次第このブログでお知らせ致します。

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