ところざわ介護道場 第3期 第5回「認知症ミニ講座、ポータブルトイレ介助方法」

2020年10月21日

認知症ミニ講座「食にまつわる行動障害」
右側に端座位をとりたい場合、麻痺側の方へ水平移動をするとベッドの中心で側臥位をすることができる。
枕を先に移動方向に動かします。顔の向きを進行方向に。
左側の下肢が麻痺の為外転しているので膝曲げする。健側はご自身で曲げてもらい、身体を小さくする。
側臥位の際、膝がベッドから出ると・・・
転落の恐れがあるので、
膝はベッド内に収まるようにします。
ポータブルベッドを置く位置は?
ふくらはぎがポータブルトイレにつくと安心。離れている場合は後方からそっとPトイレを動かし援助。
手すりの前の方をつかんでいただくと、かがみやすい。
かかとを浮かせられるように、台があると良い。
排泄しやすい体勢は、ロダンの「考える人」のポーズ。前につかむものがあれば力が入りやすい。
排泄の後は、再び手すりの前の方をつかみ、立ち上がる。
手すりを握りながら方向転換し、ベッドに腰掛ける。
10月20日(火)ところざわ介護道場を行いました。今年度は毎回 認知症ミニ講座と実技の2本立てです。

①認知症ミニ講義 BPSD「食にまつわる行動障害」
 認知症発症10年目の方、要介護1~5の進行について、写真から学びました。
 ・アルツハイマー単体の方は、割と最後まで食べられる。
 ・脳血管性認知症やレビー小体型認知症の方は、早い時期に飲み込みが出来なくなる。


「りんごをむく写真」要介護1-2 早い時期に分割が出来なくなるが、慣れたことは覚えている。集中力を維持できるので、積極的に料理に関わらせ、成功体験をつけるのが最も有効な時期。誉め言葉でで脳の力が蘇る。
「人に食べさせる写真」箸の持ち方に狂いがなく、表情はっきり、目もしっかり開いている。子供を育てた記憶が残っている。
「鍵盤の上にとんかつの切れ端と箸が乗っている写真」食べる時には箸が必要だと分かっている。好きな物に執着する時期。鍵盤も食べ物も好きなのでこのようなことが起こる。
  愛おしむ気持ちで、大らかに対応する。
「食事中に眠っている写真」食べる内に血糖値が急上昇し、眠くなったのか。
  認知症が進行すると、起きている時に神経を使いすぎる為疲れて眠くなり、寝ている時もぐっすり眠れていない。この時期から睡眠不足の状態で一生を過ごす。
  無理に起こさず、昼寝をさせると良い。
  1動作→1休息で、休ませることを心掛ける時期。 
「食事を食べ終わっていることを認識できず、箸を食べ物だと思い、口に入れている写真」要介護4-5 失語・失認・失行の時期
  とんがっている物は危険なので、「ご馳走様」でさっと下げる。
「カレーに顔を近づけて犬食いの様になっている写真」道具の使い方が分からなくなる。持っているスプーンは奪わず、職員がスプーンを持って口に運べばよい。食べたい欲求を満たす。道具がどれだけ使えるかアセスメントが必要。
「コップを目にくっつけている写真」要介護5 空間失認
  コップを本人に持たせたままで、ストローをさしてあげると良い。持てることを称賛する。
「お皿に乗ったご飯を抱えながら、スマートホンを箸でつまみ、食べようとしている写真」暗いのが苦手で、明るいところに集まるようになる。光に敏感なので、明るい画面が気になる。
「他の方が箸を近づけると口を開ける写真」ラストステージは原始反射に戻る。
  満腹中枢が認知症で破壊され、食べるだけ食べて吐く。逆に食べていないのに、口を開けてくれない事もおこる。
「蓋の閉まったペットボトルの蓋を口に入れている写真」失行 蓋を開けなければ飲めないことを忘れている。異食につながる。ラストステージの特徴。何でも口にする赤ちゃんと同じ状態。
「食事を前にして、自分の指を箸でつまんでいる写真」指すらも食べ物に見えるので、横から介助し食べさせる。

お一人の方の写真を通して、認知症の進行度合いにより、食生活のステージが変わってくることを学びました。
食べる意欲が落ちないように、全介助し過ぎないように気を付けることが大切。

②ポータブルトイレ介助
 問)この部屋のベッド配置で、片麻痺の方が利用する場合は、どちら側の麻痺になりますか? 答)左片麻痺
 講師がベッドに横になり、気を付けるポイントを教えて下さいました。

 トイレで排泄しやすくするには、「考える人」のポーズをとると良いのですが、それについての過去のブログはこちらからご覧下さい。→https://www.ml-care.co.jp/blog/20191019-1.html

次回は、11月18日(水)18時~20時 
①認知症ミニ講座:BPSD「妄想・興奮」
②食事介助と口腔ケア技術


ぜひ一緒に学びましょう(*^_^*)
お申し込みはこちらから→https://www.ml-care.co.jp/contact/

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